金沢大学国際賞は,金沢大学にゆかりをもち,近代日本を代表する哲学者・思想家である鈴木大拙と西田幾多郎に因み,故 臼井溢氏(1964年金沢大学医学部卒業)のご篤志を原資として,2017年に創設しました。 哲学・思想・宗教を中心とする分野において,国際的に卓越した業績を挙げた研究者を顕彰することにより,当該分野の一層の進展と次代を担う若手研究者に大きな学問的刺激を与えることを目的としています。
ご挨拶
金沢大学ゆかりの哲学者
鈴木 大拙 Daisetz T. Suzuki
西田 幾多郎 Kitaro Nishida
鈴木大拙(1870~1966)と西田幾多郎(1870~1945)は近代日本を代表する哲学者・思想家です。鈴木大拙は禅を中心とした東洋思想を世界に広めることに大きく貢献するとともに,「霊性の自覚」を仏教の核心ととらえ,それを探求し続けました。西田幾多郎は西田哲学とよばれる独創的な哲学体系を確立し,京都学派に代表される多くの研究者を育てました。西田幾多郎は1940年に,鈴木大拙は1949年に,それぞれ文化勲章を受章しています。
鈴木大拙と西田幾多郎は,いずれも石川県に生まれ育ち,第四高等学校※の前身である第四高等中学校に学びました。金沢という学都がもつ希有なる思想文化の風土が二人を育んだとも言えるでしょう。西田幾多郎は1899年に第四高等学校の教授に任じられ,およそ10年にわたって教鞭を執りました。
※金沢大学の前身校の一つに第四高等学校があります。
和田 隆志 実行委員会委員長,金沢大学長
本国際賞は,金沢大学が2017年に創設しました。本学にゆかりがあり,哲学・思想・宗教の分野で世界的偉業を成し遂げた鈴木大拙と西田幾多郎にちなみ,当該分野の一層の発展と,次代を担う若手研究者の奨励を目的としています。
本国際賞を通じ,グローバル大学としての金沢大学の国際貢献と,学術研究のさらなる発展に資すること,さらには鈴木大拙や西田幾多郎に次ぐ研究者の綿々たる輩出につながることを願っております。